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Berluti / ベルルッティ

Berluti・・・ヴェネチアンレザーと呼ばれる稀有な皮革の取り扱いを唯一許されているというその神秘的なブランドの一足に私は心を奪われてしまった。
 
美しい光沢を放つレザーの表面を飾るのはカリグラフィと呼ばれる刻印と文字列。それは17世紀、王侯貴族の間でやり取りされた書簡からインスパイアされたものであるという。


ベルルッティ

Berluti / ベルルッティ


そしてBerlutiの神秘をさらに深めるのはカラリストと呼ばれる職人によってなされる「パティーヌ」なる業。
 
現当主であるオルガ・ベルルッティによって考案されたというその技法は色彩の魔術によって靴を全く異なるものへと変貌させてしまう。
 
リペアはしかるべきマイスターの手によってなされるべきであるが、靴を磨くのは他ならぬ自分自身であると考えていた私にとってそれは大きな衝撃であった。
 
いま思えば無粋な質問だが、” 他人に靴を磨いてもらうこと”に慣れていない私は「パティーヌは自分ではできないのか」と食い下がった。そんな私にカラリストは「手前どもにお任せください」と静かにほほ笑むのだった。
 
ようやく観念した私に「どのようなお靴にいたしましょう」とカラリストは尋ねる。私はいくつかのオーダーをカラリストに伝えて店を後にした。
 
ややあって手元に届いたのは秋葉の色目にも似た極彩色の一足。想像を絶するパティーヌの魔術の前に、私は「靴磨きはカラリストに任せよう」と素直に認めざるをえなかった。
 

ベルルッティ


「この靴にはどんなスタイルが似合うか」という疑問に対して、ボキャブラリーの無い私には「完璧なスーツスタイル」か「白いTシャツとデニム」しか思い浮かばない。

自分の靴なのだからもっと自由に履けばよいのであろうに、靴の存在感に圧倒されたまま何やら身動きが取れないような日々が続く。
 
そして足を通した時には一歩一歩を気遣いながら歩く。「靴を磨きなさい。そして自分を磨きなさい」と当主オルガは語ったのだというが、確かにそれはひとつの精神修養のようであった。

「もっと自由にこの靴を楽しみたい。しかしブランドの世界観も壊したくない」。そんなジレンマを抱える私と靴との関係に変化が訪れたのはごく最近のことである。

「君の色目によく合いそうなアクセサリを見つけたんだ」。手に入れたのは鈍い金色を放つ真鍮性のチェーン。それは紛れもない私自身の世界観。少しだけ私と靴の関係が深まった気がした。
 

ベルルッティ


たまに疲れた靴を励ましてあげたくてガイドブックを片手にぎこちなく靴を磨く。それはこれまで私が行ってきた靴磨きとはガラリと異なった「彩色」を含まぬ最小限の手入れである。
 
光輝くというより透明感が増すという印象がある。それは曇りガラスを磨いた先に蒼天が覗くそれに似ている。
 
専用のクリームをブラシとウェスで掬いながら円を描くように丁寧に磨き込んでいく。そして仕上げには数滴のシャンパンを。まるで何かの儀式のようだがシャンパンに含まれる糖質がレザーに輝きをもたらすのだという。
 
この” 新しい靴磨き”にはまだ慣れていないが少しだけ上手になったかもしれない。あのとき接客してくれたカラリストには到底及ぶべくもない、が。

手入れを終えた私は自室の片隅に備え付けてあるシューラックへと静かに靴をもどす。
 
今夜もよく眠れそうだ。
 

~Realize your jewely~ ・・・Good night 12 midnight・・・

 
Dad × it's 12 midnight】


JUGEMテーマ:ファッション

| 00:03 | ★ Special Entry | comments(6) | trackbacks(0) |
ベルルッティの靴は魅力たっぷりですね。
溜め息が漏れます。

添えてあるチェーンはビリーブインミラクルのものでしょうか?
そこに気づいた時になんだかいろいろ考えてしまいました(笑

楽しい記事をどうも。
| sh | 2011/04/07 00:42 |
魅力を感じ、魅せられ、受け継がれてきた意味を知った時に主の人生を共に歩むべく、足元に鎮座しお互いは共鳴する。

その存在を引き立てるべく主は自分磨きの旅をし、更なる共鳴の鎖を纏う。

想いを積み重ねた分だけ、関係は深まっていくのですね...

是非、夢に満ちたお互いの人生の続きをいつか又教えて頂きたい...

素敵な関係ですね!
| タッピング | 2011/04/07 01:11 |
カルチャーショックです。
今までの靴という概念を遥か超えてます。

今夜は眠れそうにありません。
| Mi's | 2011/04/07 01:29 |
■shさま

ベルルッティ。
もはやアート作品のような、ロマンを感じます。
おっしゃる通り、僕も溜め息が漏れました。

しかしこの写真だけで、よくビリーブインミラクルだとお気づきになりましたね!
凄い・・・。

Dadさまには、カスタムバージョンをオーダーしてくださいました。
詳しくは↓をごらんくださいね!

http://chiropractic.eshizuoka.jp/e714214.html
| twelve | 2011/04/09 10:59 |
■タッピングさま

Dadさまが書いてくださった記事を読みますと、
モノが人を成長させてくれる事もあるのだと考えさせられました。

読んでいるだけで、背筋が伸びてしまいそうな、
そんな素晴らしい逸品ですね。

5年後、10年後、
ベルルッティにどのような変貌が訪れるのか、
僕もとっても気になります♪
| twelve | 2011/04/09 11:02 |
■Mi'sさま

まったくの同感です。
シャンパンで靴を磨くなんて、
自分の概念には全くございませんでした。

世の中には、持ち主の心を大きく動かしてくれるような、
素敵な逸品が存在するものですね。

僕も久し振りに靴を磨きたい気分になりました(笑)
| twelve | 2011/04/09 11:07 |









 
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